スマートホームのI/Oモジュールとは何か、何に使うか

スマートホームのI/Oモジュールとは何か、何に使うか

2026年10月19日 3 min 読了 Voldeno Team
smart homeホームオートメーションvoldeno

スマートホームのI/Oモジュールとは何か、何に使うか。入力と出力の接続、台数の見積もり、実物件の例、比較表、FAQ。

# スマートホームのI/Oモジュールとは何か、何に使うか

DINレール取付のVoldeno I/Oモジュール。デジタル入力8点とリレー出力8点

夕方、帰宅して玄関ホールのボタンを押す。24 V DCの信号が壁内の配線を通り、分電盤のDINレール上のモジュール端子に入る。モジュールはバスで押下を伝え、ロジックが反応を決め、出力のリレーがランプを点ける。一連の処理は一瞬で、利用者には見えない。よく設計されたシステムはそう動く。

Note

要点: I/Oモジュール(input/output、入出力モジュール)は分電盤に置く機器で、入力でボタンやセンサの信号を読み、出力で負荷を切り替える。自分では判断しない。入力状態をシステムのロジックに渡し、その指令を実行する。スマートホームでは、ボタンやランプの配線とオートメーションがここで交わる。

# I/Oモジュールとは何か

I/Oモジュールは物理世界を論理状態に直し、また戻す。入力は閉じたボタン接点を「押された」という情報にする。出力は「オン」という指令を、負荷へ電圧を送るリレー接点の閉成にする。

人体に例えると分かりやすい。入力は感覚で、ボタン押し、窓の開放、洗濯室の水漏れを検出する。出力は手で、機器を入り切りする。脳は Voldeno Studio で組むロジックだ。Voldeno ではそのロジックは外部サーバではなく、Hub とバス上のモジュールでローカルに実行される。

I/Oモジュールの信号経路: ボタン、入力 I1、ロジック、出力 O1、ランプ

カタログでは 8DI/8DO と書くことが多い。DI は digital input(デジタル入力)、DO は digital output(デジタル出力)。Voldeno I/Oモジュールも同じ構成で、24 V DC デジタル入力8点とリレー出力8点。「デジタル」はここでは2状態、電圧があるかないかだけを指す。0-10 V センサのような連続値は、別モジュールの Analog Input が担当する。

I/O という略語は情報処理から来ており、プロセッサと外部機器のデータのやり取りを指す。建物のオートメーションも同じ原理なので、用語をそのまま使っている。

# デジタル入力: 何を接続するか

デジタル入力には、回路を開閉するものならつなげる。ボタン、センサの無電圧接点、計量器のパルス出力など。Voldeno I/Oモジュールでは、バンクの 24V 端子と入力(I1-I8)の間を接点で閉じる。プルアップ抵抗は不要。

Voldeno I/Oモジュールのデジタル入力8点に配線したボタンと無電圧接点
機器何を知らせるか住宅での例
壁ボタン(モメンタリ)押下とその長さ玄関ホールの照明、玄関の「外出」シーン
人感センサゾーン内の在(無電圧接点)夜間の階段灯
窓または扉のリードスイッチ開 / 閉窓が開いたら暖房オフ
漏水センサ床の水機械室の元栓を閉じる
パルス出力付き水道・ガスメータ流量の増分アプリでの日次水道使用量
S0 出力付き電力量計電力量の増分ヒートポンプの消費
警報盤の信号警備、警報、破壊警備状態に応じたシーン

リードスイッチの構造は単純で、強磁性のばね板2枚をガラス管に封入しただけだ。窓扇の磁石が板を引き寄せて接点を閉じる。窓を開けると磁石が離れ、板が開く。

リードスイッチ: 窓が閉じると磁石が接点を閉じ入力に 24 V が現れる。窓が開くと接点は開く

パルス計量も同じ考え方だ。水道メータ内で磁石が回り、リードまたは誘導ピックアップが1回転ごとにパルスを出す。つまり決まった水量ごと(機種により 1 L または 10 L)。Voldeno I/Oモジュールの入力は 250 Hz までの周波数カウンタモードがあり、S0 出力の電力量計にも足りる。

# なぜ普通のスイッチではなくボタンか

普通のスイッチは2つの安定位置を持ち、状態を「覚える」。上が点灯、という意味だ。アプリやスケジュールでも操作する家では、レバー位置と実際の点灯状態がすぐずれる。モメンタリボタン(呼び鈴と同じ)は元の位置に戻り、イベントだけを送る。点灯状態はロジックが決める。

スイッチは位置を保持する。モメンタリボタンは戻り、イベントを送る

ボタンは1つの機能に限らない。Voldeno Studio のスイッチブロックはクリック、短押し、長押し、ホールドを区別し、しきい値はミリ秒で設定する。玄関の同じキーで、短押しはホール照明、長押しは家全体の消灯、といった割り当てができる。

Voldeno Studio のスイッチブロック: クリック、短押し、長押し、ホールドの時間

# リレー出力: 何を切り替え、どこまでか

リレー出力は NO(normally open、常時開)接点で、ロジックの指令で閉じ、負荷へ電圧を送る。Voldeno I/Oモジュールは、互いに絶縁された4点ずつの2グループで、こうした出力を8点持つ。各点は 250 V AC で最大 5 A(抵抗負荷、カテゴリ AC1)。

典型的な用途は次のとおり。

  • 照明回路: 玄関ホール天井、ブラケット、外構照明
  • 門扉コントローラや電気錠へのパルス
  • 電磁弁(散水や水道遮断など)
  • 浴室ファンなど小型モータ

5 A の上限は1チャネルにも、4点グループ全体の合計にもかかる。弁コイルやファンなどの誘導負荷では 2 A(カテゴリ AC15)。グループは完全に絶縁されているので、一方を 230 V AC の照明回路、他方を門扉と弁用の 24 V DC で給電できる。

絶縁されたリレー出力の2グループ: L1/N1 の O1-O4 と L2/N2 の O5-O8

電気暖房、コンセント回路、ブラインド、大容量LEDドライバには I/Oモジュールは向かない。これらはチャネルあたりカテゴリ AC1 で最大 16 A の4出力を持つ RELAY モジュールの担当だ。もう一つの方法は、I/O 出力で外部DINレールリレーを駆動すること。出力がコイルを励磁し、リレーが高電流を切り替える。切替電流が必要で、回路ごとの電流計測が不要なときに使う(実物件の例は後述)。

I/Oモジュールの出力が外部リレーのコイルを駆動し、その接点がLED回路の大電流を切り替える

I/Oモジュールの各 AC 出力は、商用電圧がゼロを横切るときに閉じる。突入電流と接点のアークを抑える。詳細は I/O・RELAYモジュールのゼロクロス切替 にある。50 Hz では電圧は1秒に100回ゼロを横切るので、同期による遅れはボタンでは感じない。

# グループ単位の電流計測で分かること

Voldeno I/Oモジュールには電流センサが2つあり、リレー4点グループごとに1つ。グループ内4出力の電流合計を測り、出力ごとの電流は測らない。値は Voldeno Studio と Voldeno Mobile で見られる。

I/Oモジュールの電流計測: 4出力グループごとに1つのセンサが、オン中の負荷の合計を示す

全回路がオンのとき、グループが 5 A 上限にどれだけ近いかが分かる。グループで1回路だけオンなら、その回路の電流になる。チャネルをオンにしてもグループ電流が増えなければ、負荷は電力を取っていない。ランプ故障か回路断だ。ヒータの使用量を回路ごとに見るなど、出力ごとの計測が必要なら、チャネルごとに電流センサを持つ RELAY を選ぶ。

# I/Oモジュールとシステムの残りの関係

I/Oモジュールは同じ設備内の Hub が必要で、Voldeno Bus で通信する。壁内ボックスではなく、分電盤の 35 mm DINレール上、保護機器の隣に置く。

Voldeno Bus は4本。24 V DC 電源、GND、CAN-FD データ2本。各モジュールのコネクタでモジュールからモジュールへ直列につなぎ、バス専用の電源モジュールは置かない。CAN は1980年代に Bosch 社が車載コントローラ間通信向けに作った。ノイズと振動に耐える必要がある経路向けだ。CAN-FD はその後継で、転送速度が高い。

役割は分かれている。Hub は設備を Ethernet につなぎ、データを保持し、遠隔アクセスを扱う。Voldeno Studio では各入出力をロジックブロックに割り当てる。日常の操作と監視は Voldeno Mobile。

インターネット障害や不通のときはどうなるか。ロジックは設備内でローカルに動くので、ボタン、センサ、シーンはそのまま使える。失うのは宅外からの遠隔アクセスだけだ。Hub 自体の故障でも、モジュールと分散ロジックはバス上で動き続けるので、オートメーション全体が自動では止まらない(詳細はシステム概要)。

# 住宅の I/O と産業の I/O: 何が違うか

電気的な原理は同じで、現場と必要な知識が違う。産業オートメーションでは I/Oモジュールは通常 PLC の一部で、IEC 61131-3 の言語(ラダー LD や構造化テキスト ST など)でプログラムする。専門のプログラミング知識と、PLC メーカのツールが要る。

Voldeno I/Oモジュールは電気的には同じ仕事をするが、Voldeno Studio の用意されたロジックブロックで設定し、コードは書かない。より複雑な場合は Volang 言語が使える。

PLC と I/Oモジュール有線スマートホーム(例: Voldeno)手配線のリレーとコントローラボックス内の無線機器
電圧入力は多くが 24 V DC、出力はトランジスタまたはリレー入力 24 V DC、リレー出力 230 V AC または 24 V DCボタンとリレーコイルは多くが 230 V ACボックス内 230 V AC、無線制御
プログラミングPLC メーカ環境の IEC 61131-3。プログラミング技能が必要Studio のロジックブロック。コードは任意なし。機能は配線で決まるメーカアプリ。クラウドアカウントが多い
施工者オートメーション技術者またはインテグレータシステムの講習を受けた電気工事士電気工事士電気工事士または居住者
信頼性長年の連続運転向け有線とローカルロジック。Wi-Fi に依存しない単純で耐久性はあるが、回路状態の情報はない電波、電池、ルータに依存
増設コストモジュール追加とプログラミング作業バスにモジュールを足し、Studio で変更機能変更のたびに新しい配線と機器1点は安いが、ボックスごとに増える

PLC は産業向けで、サイクル時間が確定的で、専門チームが設備を運用する場面に合う。住宅向けは起動が簡単で、構成に上限がないべきだ。典型的なシーンはコードなし、複雑なものは Volang で伸ばす。PLC プログラミングの高い敷居は住宅では利点ではなく障壁だ。照明シーンの変更に、ノート PC を持った専門家は要らない。

# 実物件の例: ランプが多いとき I/Oモジュールは何をするか

写真は当社物件の分電盤の一部だ。右に I/Oモジュールと RELAY モジュールが並び、左にオレンジ色のリレーがDINレールソケットに載っている。

Voldeno 物件の分電盤: DINレール上の I/O と RELAY、ソケットに収めたオレンジ色の外部リレー

玄関ホールのボタンに戻る。この物件では信号は I/O 入力に入る。モジュールは主に入力の受け皿だからだ。壁スイッチの線もその端子に集まり、ブラインド操作用も含む。

照明は大出力 LED が多く、電流が I/Oモジュールの 5 A 上限を超える。そのため外部リレー(写真のオレンジ)が切り替え、コイルは I/O 出力で駆動する。ブラインドは RELAY モジュールが駆動する。

設備の要素接続先役割
照明の壁スイッチI/Oモジュール入力ロジックへのイベント: 短押しと長押し
ブラインドの壁スイッチI/Oモジュール入力ロジックへの上昇・下降指令
LED ランプI/O 出力で駆動する外部リレー大電流の切替
ブラインドモータRELAY モジュール出力モータ給電

切替電流が必要で、負荷の電流計測が必須でないときは、RELAY を足す代わりになる。代償もある。盤内に機器が増え、I/O の電流センサはランプ電流ではなくリレーコイルの消費を測る。回路電流が必要なら RELAY の方がよい。

# 住宅に I/Oモジュールは何台必要か

低電力の入力と出力を別々に数え、それぞれを8で割り、大きい方を取る。I/O の上限を超える負荷(暖房、コンセント、ブラインド)は RELAY か、I/O 出力で駆動する外部リレーとして数える。将来の増設用に余裕を見る。スマートホーム設計の失敗 では 30-50% を勧めている。

先に足りなくなるのは入力が多い。ボタン、リード、センサが各1点を使い、全窓にセンサがある家ではリードだけで十数点になる。照明出力は1回路が複数灯を賄うので、通常は少ない。

規模の目安: モダンバーン では I/O 7台、RELAY 9台、Analog Input 1台、1-Wire 2台、Hub 1台。マンション、120 m² の家、200 m² 超の家の機器と費用の一覧は スマートホームの費用 にある。

# よくある質問

# PLC と I/Oモジュールの違いは

PLC はプログラムを実行するコントローラ。I/Oモジュールはその入出力で、センサと負荷への接続だ。Voldeno ではコントローラ役は Hub とモジュール上でローカルに動くロジック。I/Oモジュールは信号を渡し、指令を実行する。

# 8DI/8DO とは

デジタル入力8点とデジタル出力8点。Voldeno I/Oモジュールも同じで、24 V DC 入力8点と、4点ずつの2グループのリレー出力8点。

# ボタンの代わりに普通の壁スイッチを付けられるか

付けられる。入力は位置を読み、Studio では状態変化ごとに反応できる。ただし短押しと長押しの区別は失われ、アプリからも操作するとレバー位置と点灯が一致しなくなる。新設ではモメンタリボタンを勧める。

# 出力 5 A で LED 照明は足りるか

通常の回路なら足りる。230 V で 5 A は抵抗負荷で約 1150 W、部屋の LED 回路は数十 W が多い。5 A は4点グループの合計上限でもある。大出力 LED や突入の大きいドライバが多い場合は、RELAY か I/O 出力で駆動する外部リレーを使う。

# インターネットなしで I/Oモジュールは動くか

動く。ボタン、センサ、シーン、スケジュールは設備内でローカルに動く。インターネットがないと失うのは宅外からの遠隔アクセスだけだ。

# I/Oモジュールか RELAY か

I/O はボタン、センサ、5 A までの負荷(照明、門扉、弁)。RELAY はチャネルあたり最大 16 A の出力4点で電流計測付き、デジタル入力はない。暖房、コンセント、ブラインド、モータ向け。電流が必要で回路計測が不要なら、I/O 出力で外部リレーも駆動できる。多くの住宅では両方を使う。

# まとめ

I/Oモジュールは目立たないが、設備でいちばんよく使う部分だ。玄関ホールのボタン、窓の開閉、水道メータのパルスはすべてその端子を通り、出力は利用者もインターネットもなしに照明やリレーを動かす。チャネルに余裕を持ち、大負荷を RELAY か外部リレーに移せば、何年も手を入れなくてよい。

設備を計画していて、家に I/Oモジュールが何台要るか確認したい場合は、無料相談 を予約してほしい。物件に合わせてモジュールを選ぶ。Voldeno Studio を無料でダウンロード し、シミュレーションで入出力を組むこともできる。

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